結婚は、多くの人にとって人生の大きな節目のひとつです。しかし、「恋愛」と「結婚」はまったく別物。恋人同士の関係がどれだけうまくいっていても、それがそのまま結婚生活の成功を保証するわけではありません。恋愛では、お互いに楽しい時間を共有し、愛情を育むことが中心ですが、結婚では「生活を共にする」という現実的な側面が大きく関わってきます。
恋愛中は、相手の良い面にばかり目が行きがちですが、結婚すると「家事の分担」「お金の管理」「家族との付き合い方」など、さまざまな現実的な問題に直面します。そのとき、「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、結婚前にしっかりと準備をしておくことが重要です。
特に、長続きする夫婦の多くは、結婚前にしっかりと話し合い、問題になりそうなポイントを事前にクリアにしています。お互いの価値観を理解し、すり合わせ、トラブルが起きても冷静に対処できる関係を築くことが、幸せな結婚生活の秘訣です。
では、長続きするカップルが結婚前にしていることには、どのようなものがあるのでしょうか?この記事では、具体的な7つのポイントを詳しく解説していきます。
1. お互いの価値観を深く理解する
結婚生活は、恋愛のように感情だけで成立するものではありません。結婚後は長い時間を一緒に過ごし、様々な決断を二人で下す必要があります。その際、価値観が大きく異なると衝突の原因になりやすいため、事前にしっかりと話し合い、お互いの考えを理解しておくことが重要です。
話し合うべき主要な価値観
- お金の使い方
- 貯金を重視するタイプか?それとも経験(旅行や趣味)にお金を使うタイプか?
- 高価なものを買うときはどうするか?(事前相談が必要か、それとも自由か?)
- クレジットカードを使う派か、現金派か?
- 仕事と家庭のバランス
- 共働きを続けるのか?
- 家庭を優先するためにどちらかが退職する可能性はあるか?
- 転職やキャリアアップをどう考えているか?
- 子供を持つかどうか
- そもそも子供が欲しいか?
- 何人欲しいか?
- どんな教育方針を考えているか?(私立か公立か、習い事をさせるかなど)
- 親との関係
- 結婚後、親との付き合い方はどうするか?
- 同居の可能性はあるか?
- 介護の問題についてどのように考えているか?
2. 金銭感覚をすり合わせる
結婚生活において、お金の問題は非常に重要です。どんなに愛し合っているカップルでも、金銭感覚が合わないとトラブルが起こりやすくなります。そのため、結婚前にお互いの金銭感覚をすり合わせておくことが大切です。
話し合うべきお金のポイント
- 収入と支出の管理
- 夫婦の収入はどのように管理するか?(共有するのか、それぞれで管理するのか)
- 家計簿をつけるか?(つける場合、どちらが担当するか?)
- 生活費の分担方法
- 収入に応じて分担するのか?
- 完全折半にするのか?
- 一方が多く負担するのか?
- 貯金や投資に対する考え方
- どのくらいの貯金をするのか?(月々の貯金額の目標は?)
- 投資をするか?(株式、投資信託、不動産など)
- 将来の大きな支出(マイホーム購入、子供の教育費、老後資金)の計画は?
- 借金やローンの管理
- 結婚前の借金(奨学金、カードローン、車のローンなど)はどうするか?
- 住宅ローンを組む予定があるか?
- どの程度のローンなら許容できるか?
3. 家事・育児の分担を決める
結婚生活がうまくいくかどうかは、家事・育児の分担が大きく影響します。どちらかに負担が偏ると、不満がたまりやすくなるため、事前に話し合っておくことが重要です。
話し合うべきポイント
- 家事の得意・不得意を把握する
- 料理、掃除、洗濯など、どの家事が得意か?
- 苦手な家事はどうするか?(外注するか、分担を変えるか)
- 家事分担のルールを決める
- 役割分担制(料理は夫、掃除は妻 など)にするのか?
- 交代制(週ごとに交代する など)にするのか?
- 柔軟に分担(その日の状況で決める)にするのか?
- 子育ての役割を決める
- どちらが主に子育てをするか?
- 保育園や幼稚園の選択はどうするか?
- 仕事と育児のバランスはどうするか?
4. 喧嘩の解決方法を決めておく
結婚生活では、どんなに仲の良いカップルでも意見が食い違うことがあります。価値観の違いや生活習慣のズレが原因で、時には喧嘩に発展することもあるでしょう。しかし、大切なのは「喧嘩をしないこと」ではなく、「喧嘩をしたときにどう解決するか」です。
結婚前に喧嘩の解決方法を話し合っておくことで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
喧嘩の主な原因
- 価値観の違い
- お金の使い方
- 家事のやり方
- 子育ての考え方
- 仕事と家庭のバランス
- 感情のすれ違い
- 「相手にもっとこうしてほしい」という期待が満たされない
- 忙しさや疲れから、些細なことでイライラしてしまう
- コミュニケーション不足で誤解が生じる
- ストレスが溜まっている
- 仕事のストレス
- 人間関係の悩み
- 育児や家事の負担
喧嘩を上手に解決する方法
- 感情的にならずに冷静に話し合う時間を設ける
- 喧嘩をした直後は、お互いに感情的になりやすい。
- いったん冷静になる時間を作る。
- 30分~1時間後に話し合うなど、クールダウンの時間を設ける。
- 相手の話を最後まで聞く
- 途中で口を挟まず、相手の気持ちをしっかり受け止める。
- 「私はこう思う」と意見を伝える前に、「あなたはこう考えているんだね」と共感を示す。
- 相手を否定せず、まずは「理解しようとする姿勢」を持つ。
- 「どちらが正しいか」ではなく「どうしたら解決できるか」を考える
- 喧嘩は勝ち負けではなく、解決することが目的。
- 「私は正しい」「あなたが間違っている」と主張するのではなく、「どうすれば二人が納得できるか」を考える。
- 謝るべきところは素直に謝る
- 「自分は悪くない」と思っていても、相手を傷つけたなら謝る。
- 「ごめんね。でも、こういう気持ちだったんだよ」と、自分の気持ちも伝える。
- ルールを決める(喧嘩のルールを事前に話し合う)
- 喧嘩中に暴言を吐かない:「バカ」「もう知らない」などの言葉はNG。
- 無視しない:無視をすると、相手に深い傷を与える。
- 過去の話を蒸し返さない:「前もこうだったよね」と過去の話を持ち出さない。
喧嘩を減らすための心がけ
- 「してくれない」ではなく「してくれてありがとう」の視点を持つ
- 「もっと手伝ってくれない!」ではなく、「いつも手伝ってくれてありがとう」と伝える。
- 感謝の気持ちを忘れないことで、相手も気持ちよく動いてくれる。
- 定期的に二人の時間を作る
- 忙しくても、月に一度はデートをする。
- 旅行やイベントを計画して、楽しい時間を共有する。
- ストレス発散の方法を持つ
- 趣味や運動でストレスを解消する。
- 一人の時間を大切にすることで、イライラを減らす。
5. 一緒に暮らしてみる
結婚は「日常生活を共にすること」なので、実際に一緒に暮らしてみることで、相手の生活習慣や価値観をより深く理解できます。同棲を通じて結婚生活をシミュレーションし、結婚後のギャップを減らすことができます。
同棲のメリット
- 相手の生活習慣を知る
- 朝型か夜型か?
- きちんと片付けるタイプか?それとも散らかしがちか?
- 食事の時間やメニューの好みは合うか?
- 趣味の時間やリラックスの仕方に違いはあるか?
これらは、一緒に住んでみないと分からないポイントです。お互いのリズムが合うかどうかを確認することで、結婚後のストレスを減らせます。
- 家事の分担がうまくできるか確認
- 料理や掃除の得意不得意を知る。
- 仕事が忙しいときの役割分担を決める。
- どちらか一方に負担が偏らないようにルールを決める。
例えば、「掃除は得意な方が担当」「料理は交代制」「お皿洗いは食べた人がする」など、細かいルールを決めておくとスムーズに生活できます。
- 金銭感覚のすり合わせ
- 生活費をどのように分担するか?
- 貯金や支出のバランスをどうするか?
- 食費や光熱費を折半するのか、それとも収入に応じて分担するのか?
金銭感覚の違いが原因で結婚生活にひびが入ることも多いので、事前に確認しておきましょう。
- ケンカしたときの対応を知る
- どんなことで意見がぶつかるのか?
- どちらが折れることが多いか?
- 感情的になりやすいか、冷静に話し合えるか?
ケンカをしたときにどう解決するかを学ぶのも、同棲の大きなメリットです。
同棲の注意点
- ズルズルと結婚を先延ばしにしないこと
同棲をしていると、「今のままでいいか」と結婚を先延ばしにしてしまうケースもあります。
「何年後に結婚するか」「結婚に向けて何を準備するか」など、明確な目標を持ちましょう。 - 親に理解してもらう
特に伝統的な考えを持つ親世代には、同棲に否定的な人もいます。「結婚を前提にしている」「結婚生活の準備として同棲する」など、事前に説明するとスムーズです。
6. お互いの家族と良好な関係を築く
結婚は「二人だけの問題」ではなく、「家族同士の結びつき」でもあります。義理の両親や兄弟姉妹との関係は、結婚生活に大きな影響を与えるので、事前に良好な関係を築いておくことが大切です。
結婚前に確認すべきポイント
- 家族との関係性
- 相手は家族とどのくらいの頻度で連絡を取るのか?
- 家族との関係は良好か、それとも距離を置いているか?
- 実家に頻繁に帰るタイプか?
- 親との相性を確認
- 義両親はどんな性格か?
- 自分と合いそうか、それとも価値観が合わなそうか?
- どの程度、家族の意見に影響されるのか?
- 結婚後の親との付き合い方
- お正月やお盆など、実家への帰省はどれくらいの頻度にするか?
- 親との同居の可能性はあるか?
- 介護の話はしているか?
家族との良好な関係を築くためのポイント
- 最初の印象を大切にする
- 初対面では笑顔を意識し、礼儀正しく振る舞う。
- 相手の家族の話題に興味を持つ。
- 適度な距離感を保つ
- あまり踏み込みすぎず、適度な礼儀を持って接する。
- 無理に仲良くしようとしすぎない。
- 相手の家族の文化や価値観を尊重する
- 家族ごとにルールや価値観が異なるため、否定せず理解する姿勢を持つ。
結婚と恋愛は違う
結婚は「ゴール」ではなく、「新しい人生のスタート」です。将来のライフプランを明確にしておくことで、結婚生活がスムーズになります。
話し合っておくべき重要なテーマ
- 住む場所の決定
- 都市部に住むか、郊外に住むか?
- 持ち家を買うか、それとも賃貸に住むか?
- 転勤や引っ越しの可能性はあるか?
- 仕事と家庭の両立
- 共働きを続けるのか?
- どちらかが専業主婦(主夫)になる可能性はあるか?
- 転職やキャリアアップについてどう考えているか?
- 子供の有無と教育方針
- 子供は何人欲しいか?
- どんな教育を受けさせたいか?
- 仕事と育児のバランスをどうするか?
- 老後の計画
- どのくらい貯金をするか?
- 老後はどこで暮らしたいか?
- 介護の可能性はあるか?
結婚は、ただ愛し合っているだけではうまくいかないものです。もちろん、恋愛感情は大切ですが、それ以上に「現実的な生活をどう乗り越えていくか」が、夫婦生活を長続きさせるカギになります。
本記事で紹介した7つのポイントを振り返ると、結婚前に以下のようなことを確認しておくことが大切だとわかります。
お互いの価値観を理解する:お金の使い方、仕事と家庭のバランス、子育ての考え方など、価値観の違いを把握し、許容できるかを話し合う。
金銭感覚をすり合わせる:生活費の分担、貯金やローンの考え方などを決め、結婚後のトラブルを避ける。 家事・育児の分担を決める:どちらかに負担が偏らないよう、事前に役割分担を話し合う。 喧嘩の解決方法を決める:意見が合わないときにどう対処するか、冷静に話し合うルールを決める。
同棲をして生活習慣をチェックする:実際に一緒に住んでみることで、生活リズムの違いや価値観のズレを事前に確認する。
お互いの家族との関係を築く:義両親や兄弟姉妹との関係が結婚生活に影響を与えるため、良好な関係を築いておく。
結婚後のライフプランを考える:住む場所、仕事、子育て、老後の計画などを話し合い、共通の目標を持つ。
また、結婚生活は長い旅のようなもの。最初にすべてを完璧に決めることはできなくても、お互いの意見を尊重しながら柔軟に対応できる関係を築くことが何よりも大切です。「相手を変えよう」とするのではなく、「お互いが歩み寄れるポイントを見つける」ことが、幸せな結婚生活につながります。
結婚は、一緒に歩む人生のスタートライン。長続きするカップルは、結婚前にしっかりと準備をしているからこそ、幸せな夫婦関係を築けるのです。これから結婚を考えている方は、ぜひ今回のポイントを参考にし、愛する人と素敵な未来を描いてください。
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